熱海でナンパして...

「Give & Take」から「Give & Given」


また話は脱線(笑)しますが、先日熱海港での東海汽船シーガルの岸壁衝突事故に私が遭遇しました。実際乗っていたのですが、下船勧告後これからどうしようかと考えていた時に同じように途方にくれた若き女性3名と犬一匹に会いました。東海汽船は何のインフォメーションも有りません。まず、自分達のことが先決ですが、我々は伊東港か稲取港への移動を決断。ちょうどこちらは自動車だし、3名分位の席は確保できそうだったのでさっきの3名と犬1匹をお誘いしました。
スケベそうなオッサンのお誘いなのは言うまでもなか
ったのですが、彼女達も船会社の代替案内もないまま困っていたらしく「よろしくお願いしま〜す」との返事。

伊東港までの間に彼女達が横浜のある大きな病院の看護婦であることが判明。船舶事故がもっと大きければ役に立っていたかも・・・
という話はどうでもいいのですが、伊東から無事大島へ同じ船で3時間遅れで到着。それぞれが目的であるダイビングと釣りに分かれていった次第です。

幸い私の名刺があり、スケベ心出して営業もさせていただいたのですが、そこには私のメールアドレスが。淡い期待もありましたが・・・・
後日きっちり「遅くなりましたが、その節は。。。」とご丁寧にお礼のメールをいだきました。

行きずりの親切?に対するお礼には電話よりメールがいいですねぇ。

名詞を差し出す行為に良し悪しはあるかも知れませんが、少なくとも旅行業に携わるものとして、現場で困っている人達に対して何も出来ないのは本意では有りません。東海汽船は何もしてくれませんでしたので。(笑)

何でも自分でできることをやってみるのはそう難しいことではない。しかし、暗い現状を考えるとついつい下を向いて歩いている自分が居たりしてね。
大島からの帰りの桟橋でまたもや・・・・
乗船のため大きな荷物を背負いながら、雨の中草履で桟橋を歩いているとスッテンコロリンと滑って転んでしまった。オッサン47歳恥ずかしい限りだが、すぐ前を歩いていた若い女性と外人のカップルが、すぐさま駈け寄り私を起こしていただきました。「荷物重そうですもんね」なんて言われたりして、実際はあまり重くも無く、問題は滑りやすい桟橋と草履が悪かったのだが・・

外人に助けられたから言うわけではないが、よぼよぼの爺さんでもない限り、私だったら雨の中すぐさま駆け寄
って転んだ人に手を差し伸べられたであろうか。
ここが大島でなくサンフランシスコではと思われた瞬間でした。

人って基本的には一人では生きづらい。かと言って人間関係もわずらわしい。でも関われば関わるほどさまざまな人間模様を見ていかざるを得ない。
そこには、日本特有の「お返し」という文化が根付いている。もし「お返し」がなければいわゆる村八分があったのかもしれない。「お返し」が必然である限り「与える」という行為が日本の社会規範の中ではかなり不自然な行為であると思うのは私だけだろうか。
日本古来の仏教文化の中で親鸞上人は平民の中で説法を説いて廻った。彼の説法や生き様の中にはもちろん「Give & Take」の教えは見つからない。   By Ptun

 

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